スタッフの齋藤です。今年度で2年目を迎えた、「群馬県リバースメンター事業」は、高校生自らが群馬県知事のメンターとして政策等を提言し、政治に反映させることでより良い県の未来に向けた取り組みとして開始しました。こういった過程を経て、高校生が社会を変える実感を持つことによって、群馬県が目指している『始動人』(自分の頭で考え、他人が目指さない領域で動き出し、生き抜く力を持つ人)の育成につなげることや、高校生ならではの感覚や価値観を持った意見を県政に取り入れ、新たな展開を生み出すことを目的としています。
私たち笑下村塾は、若者が積極的に意見を表明したり、政治に参加したりするようになるための「主権者教育」を実施しており、この事業も力をいれて取り組んできました。
本記事では2024年度リバースメンターをつとめた高校生たちの、生き生きとした感想をぜひお読みください。また、本事業は2025年度も実施予定ですので、続報をお待ちください。
目次
1.【周りがどうであれ、自分の好きを誇れるように!】岡村竜之介さん:吾妻中央高校3年
私は提言会近くまで、何度も自分のテーマが変わるほど悩みました。どのテーマも社会課題ではあるけれど、自分が本当にその変化したテーマについて、探究したいのかわからないままでいました。しかし、群馬県庁の方たちや笑下村塾のフォロワーさんが「自分の好きなことについて取り組んでいい」といってくださったことで、自信を持って自分の1番好きなテーマ、“アニメ”について取り組めるようになりました。
提言会では、心臓が飛び出そうなぐらい緊張しました。さらに発表順が1番目で、自分の評価次第でメンバーの評価まで決まってしまうのではないかという大きな責任感で、いつ心臓が止まってもおかしくないと思いました。しかし、発表が始まる前に自分だけでなく他のメンバーたちも緊張していることを知ったり、そんなみんなと心を一つにしたことで、無事に発表に臨むことができました。それでも発表途中で何を伝えるのか頭が真っ白になってしまった時には、山本知事が「焦らなくても大丈夫だよ」といってくださり、伝えたい部分をしっかり伝えることができました。提言会後には、見に来てくださった方に「思いが伝わったよ」「聞きやすかった」「これから頑張れ」などたくさんの方から声をかけていただきました。私はその時に改めて、自分は提言会にきてくれた人、メンバーたちに支えられていたんだと感じることができました。
私は、今まで色んな人に支えられてここまで来ました。ずっと失敗続きでも、提言会という1回の成功のために頑張ってきました。これからも、失敗しながら政策をしていくと思います。“アニメ”を政策のテーマにしている私に賛同してくれる人もいれば、「なんでそんなもので政策してるんだ」という否定的な考えを持つ人もいると思います。しかし、私はたとえどんなことを言われても、たとえどう思われても気にならないくらいアニメが大好きです。私の政策によって、群馬県でさらにアニメ文化が普及していき、好きと言う気持ちであふれる群馬県にしていきたい。そして、アニメが好きだということを隠さなくてもいい、群馬県にしていきたいと思います。
2.【苦手なことから逃げず、困難を乗り越えようとする考えが身についた!】齋藤花ノ舞さん:ぐんま国際アカデミー高等部1年
私は同じ学校に通うももせ(荻野百世さん)と共に、「生理の貧困を解決、そしてストレスゼロ生活へ」というテーマで活動を進め、3つの政策を提言しました。1つ目は、生理用品用のクーポン配布です。この案はオンラインミーティングで発表準備を進めているときに浮かびました。全国初のアイディアで、目的がはっきりしている、自分にあった生理用品を購入できるなど沢山のメリットがあるのが特徴です。そして2つ目は、学校内へのナプキン設置の強化。群馬県内でも公立高では既にナプキンが配置されているとのことですが、私達が通う高校は私立で、急に生理がきたときに困る思いを沢山してきました。学校の友達のほとんどが同じようなことを経験したことがあるそうです。リバースメンターに応募したのは、このような状態を少しでもなくしたいという目標があったからでした。最後に3つ目は、教員に対する生理セミナーの実施です。生徒の生の声を届けるため、そして正確な情報を提供するため、私達2人が中心となって発表し、さらに専門家のレクチャーも入れたいと考えています。この提言は、学校の先生が生理を軽視し、生理で悩む生徒に対して嘲笑っていた実態を見て怒りが込み上がってきた経験によるものです。すべての提言に理由が込められていて、どれも欠かせないため、実現できることを期待しています。
提言会に至るまで、ももせと試行錯誤を重ねてきました。まずは自分が何をしたいか、どんな目標を持っているのかを笑下村塾のフォロワーさんや専門家の方々と話し合うところから始まりました。私は、生理が軽視されていたことへの怒り、そして困っている人が沢山いるのに一向に変わらない現状に変化を起こしたいという一心で挑んでいたので、いざ言葉にするとなると論理的に離すのが難しく、早速小さな壁に出くわしました。他のメンバーのみんなは話し方も話す内容も整理されていて、始めは感心するばかりでした。今でも瞬時に自分の意見をまとめることは得意と言えませんが、以前より発言する機会が増え、とても良い刺激になっていると感じます。リバースメンターに参加した当初から山本知事や笑下村塾代表のたかまつななさん、そして他のメンバーのコミュニケーション力に圧倒されていました。ななさんの授業は驚くほどにわかりやすく、「私にでも社会を変えられるんだ」という意識がすぐに定着しました。目的をそっくりそのまま成功させてしまう能力に驚愕しました。緊張していた初日も、山本知事のおかげで乗り切ることができました。私達、そしてメンバー全員の目標に前向きなコメントをしていただき、自信を持つことができました。振り返ると、ポジティブなマインドセット、そして大勢の協力がとても爽快なスタートダッシュを決めれた秘訣でした。
その後も、月に何度かヒアリングやミーティングを実施し、再度訪れた壁が「私達が解決したいと考えている目標にぴったり当てはまる提言」を考えること。私は夏休みに3週間の留学を予定していたため、提言会に出られず、代わりに提言会の前日にフィリピンから帰国したももせが、1人で発表しました。提言会まで準備に使える期間が、他のメンバーより1ヶ月ほど少なかったため、今までの活動の中で、発表準備が最も大変な作業でした。同じ時期に学校の課題なども被ったために、留学出発前に発表原稿とスライドが完成させられないまま飛び立ってしまいました。滞在先でもパソコンを開いて作業をしましたが、発展途上国ではWi-Fiが機能せず、ももせに協力したくてもできない状況でした。そんな危機的状況でも、フォロワーさんが丁寧に連絡・対応してくださり、無事発表を終えることができました。
この活動を通して得た最も大きな学びは「使える時間を最後までたっぷりと!」というななさんからの教えです。何度も発言できると思ったら大間違い。みんなが耳を傾けてくれる時間は限られていて、 発言できるときに情報を伝わりやすく十分にまとめなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうのだという考え方です。今までコミュニケーションに苦手意識があり、代わりに得意な部分だけを極めれば良いと考えていましたが、人の心を動かすのも、行動に移せるのもコミュニケーション能力なのだと知り、逃げてばかりではいられないという思考に変わりました。もちろんこの数ヶ月ですぐにスキルがついたわけではありません。言葉にする機会、挑戦する回数が増えたということです。現代には様々な考え方があって、惑わされることが多いと最近感じます。流されやすい私は、これまで周りの環境次第で大きく左右され、信念を持っていませんでした。柔軟性を持つことも大事ですが、最終的には軸や自分の中での定めがないと辛いことから逃げてばっかりで頑張っていけないと学びました。これからも自分が頑張る理由を胸に、提言の実行に向けて一生懸命務めていきたいです。
3.【自己内省と分析が進み、課題の本質と解決のためのアプローチが明確に!】外所もみじさん:学校法人角川ドワンゴ学園S高等学校2年
私は「不登校の子どもたちが特性関係なく関わりを持てる居場所作り」を提案し、知事に提言を行いました。この提言は、私自身が小学4年生の時に起立性調節障害という病気にかかり、症状に関して周囲に理解してもらえず不登校になったことが背景にあります。それでも私の場合は、中学生の時に母がフリースクールを見つけ、年間150万円という決して安くはない学費を費やしてくれ、県外まで通うことを許可してくれました。しかし、これは両親のサポートと適切な環境に恵まれたからであり、すべての不登校の子どもたちが経験できるわけではありません。特に群馬県のような地方では、こうしたチャンスは限られているため、環境に左右されず、子どもたちが自分の「やりたい」を伸ばせる居場所を作る必要があると感じ、この提言に至りました。
提言に向けた取り組み
私の活動の出発点は「起立性調節障害の理解・認知を広める」ことでした。何百というサイトや論文、事例を調べ、起立性調節障害の課題や不登校との関連性を探る中で、提言内容をブラッシュアップしてきました。私には起立性調節障害や不登校を経験した子どもたちに、やりたいことを諦めてほしくないという思いが強くありました。特に、学校に途中から行くことの難しさや、周囲に理解者がいないことは大きな問題です。さらに、不登校になった後の孤独感や、やりたいことがあってもできる環境がないという課題もあります。これらの課題を解決するため、フォロワーやアドバイザーの協力を得ながらプロジェクトを進めてきました。
提言会の感想
提言会では、リラックスした雰囲気の中、知事と意見を交わすことができました。群馬県が進めようとしていることと、私が提案したいことが一致しており、政策の実現性が高いと感じました。また、話し合いを通じて、私自身の課題意識や生きづらさは、概念や環境に起因しているのだと改めて気づかされました。加えて、県が抱える課題も見えてきたため、今後はその課題も取り入れながら実現に向けて取り組みたいと考えています。
取り組みを通じて変わったこと
活動を通じて変化したのは、課題解決へのアプローチです。当初は「病気への認知・理解が広まらないからこそ苦しいのではないか」と考えていましたが、病気の認知や理解だけでは解決できないのではないかと感じるようになりました。人それぞれに適した形で物事を進める必要があり、各自のペースや特性を活かせる社会を作ることが目標になりました。この考え方の転換により、活動のロードマップも修正しました。
今後の目標
今後も「行政でできること」と「民間でできること」を見極めながら、最終的な目標である「子どもたちにより多くの選択肢を与えられる社会」の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
4.【自らの工夫で人の心をひきつけ、動かす方法がわかった!】星名和彦さん:県立高崎高校2年
[1]私の提言
私は、群馬県内の古墳を巡るのが好きな「古墳オタク」である。休日には、古墳をよく見に行くのだが、群馬県には本当に多種多様な古墳が多く存在しているとひしひしと感じる。群馬県は東日本の中でも特に古墳が多い都道府県の一つであり、古代日本の一大勢力があった地とされている。これらの古墳は大きいのみならず、ユニークな埴輪や、貴重な出土品(例えば、前橋市の山王金冠塚古墳からは、朝鮮風の冠が出土した。)を伴っていること、更には全国的に見ても珍しい形(例えば、吉岡町の三津屋古墳は全国でも天皇家の墓にしか用いられない「八角形」の古墳である。)のものもあることから、日本古代史<古墳時代>を語るうえで、極めて重要な資料であるとされている。しかし、現在群馬県には保渡田古墳群(高崎市)や観音塚古墳(高崎市:博物館併設)のように整備が行き届いて、その文化的価値を活かすような教育/観光に活用されている古墳もあるものの、太田天神山古墳 (太田市)のように、歴史的価値が極めて高いにも関わらず、草刈りや案内板未設置など、整備が行き届いていないために一般人が立ち入って見学しにくいような古墳も多くあるという現状がある。
このように、群馬県が持っている貴重な歴史遺産を十分に活かすことができていないのでは、「文化財」という”地域の宝”も腐ってしまう。そこで私は、群馬県、ひいては日本の遺産である「古墳」を未来に伝えるために、県に対して次のような政策提言をした。
(1)地域の貴重な文化財である古墳を未来に残すために、古墳の整備をもっと行うべきである。
(2)「歴史教育」の観点から群馬県にある古墳の歴史的価値を県内外 の人に広く知ってもらうためにこれを用いた観光を、「日本遺産」制度等を利用して推進していくべき。
(3)古墳を広く知ってもらうための教育事業(講演会、古墳見学ツアーなど)を、有識者や県立歴史博物館、文化財保護課などが主導して群馬県の「文化財教育」のレベルを”古墳”を用いて高めていくべき。
(4)現在、群馬県で行われている古墳教育事業:群馬古墳カード/アプリ 「群馬古墳探訪」は、他県と比べても先進的な取り組みなので、今後とも継続していくべき。
[2]活動報告
この4つの提言を作るにあたって、笑下村塾や、県戦略企画課など、 多くの方のお力を貸していただいて「文化財整備」に関わる仕事をしていらっしゃる下記の方々にインタビューをした。このインタビューの目的は、 古墳整備の当事者から古墳整備における課題を聞き出し、解決策を探るためであった。以下、インタビューをした方々について述べようと思う。
◯文化財保護課/文化振興課/観光魅力創出課(群馬県) こちらの方々には、群馬県における「古墳整備/活用」の現状と課題点を知るためにインタビューを行った。その結果、群馬県では古墳を活用した教育が、群馬県立歴史博物館における古墳の特別展示や、勉強会 (講演会)、古墳ツアーなどの方法で盛んに行われている一方で、古墳自体の草刈り、案内板のみ設置などの整備があまり行われていないということが判明した。これを踏まえて、その解決を探るべく次にインタビューしたのが
◉奈良県明日香村
である。明日香村は、古代、皇極(斉明)天皇の都「飛鳥板蓋宮」が置かれた地で古代天皇のものとされる複数の陵墓が残されている場所で、考古学ファンの間で永遠の人気を誇る市町村だ。更に、明日香村は日本初の「日本遺産」が登録された場所で、古墳の活用や文化財観光/教育の事情にも明るい。遠方であったため、このインタビューは前回の群馬県のものと同様にzoomを用いて行ったが、これもまたより一層学びが多いものとなった。古墳観光及び教育に多くの労力を投入することができる明日香村の強みは、やはり何と言っても、地域住民との間に文化財としての古墳の理解が成立していることであるのではないかと感じた。「古墳には、明日香の歴史が詰まっている。」そういう意識を地域住民が皆で共有し、古墳を守っていこうという態度があるのだ。古墳整備を考えていくうえで、この様子に私は大きな感銘を受けた。願わくば、このような態度を群馬県にも根付かせたいと思った次第である。
[3]提言会
このようなインタビューを通して、練り上げた提言を公表する場が、知事や関係担当課の職員の方を前にした提言会であった。当日は、多くのメディア関係者が取材に訪れ、さながら政治家の記者会見のような物々しさであったが、私は「古墳の現状を伝える”授業”」というイメージのもとでプレゼンテーションを行った。ただ、一般的な授業のようにただ専門用語を連発するのでは観客の関心はひきづらい。そこで、観衆の興味を引くために私がほんの少し意識した技工に「観客との双方向的なやり取りを含んだ”会話形式”のプレゼンテーション」というのがある。どういうことかというと、観客に向かって「質問」を時々飛ばしたり、人の目を引くようなデザイン性の高い図表を用いることで、関心を引き付ける、というものである。なかなか、人の関心を得にくいテーマであるだけにこのような手法を用いたが、観客が時折「おー」「はーん」「なるほど」など様々なリアクションを用いて発表を盛り上げてくれ、更には知事も頷くだけにとどまらず、時折私の発言に対してコメントをくださるなど双方向のやり取りが成立し、私にとって発表しやすい場ができていた。その意味でも、この提言会は「古墳問題」を多くの人に気づいてもらえる効果的な場になったと考えている。
[4]リバースメンターをやって変化したこと
私が、社会を内側から変えていくという、リバースメンターを志願した裏側には、古墳を見た経験以外にも、私が過去に感じた不満や憤りがあった。昔から、私は「論理的に正しくない」<理不尽なもの>に対して強い嫌悪感と軽蔑の念を持って生きてきた。自分の価値観を人に押し付ける人、自分の価値観を「正義」という言葉にすり替えて人を支配する人に我慢がならなかった。中高生くらいだったと思う。そんな人に、自分の意見をぶつけた。単刀直入にその人を真っ向から批判したのを覚えている。 しかし、相手のすべてを怒りに任せて否定したのでは問題は全く解決しないばかりか、人間関係の悪化という更に手強い問題を生むだけだと薄々感じ始めていた。そんなおり、始めたのがこのリバースメンターだった。
政策づくりには、多くの時間と予算がかかる。自分の案に賛成する人もいれば、反対する人もいる。自分の意見を通すためには、相手を「論破」 するのではなく「説得」する必要がある。委嘱式から3ヶ月程度。薄々感じていたそのイメージが、今になってはっきり見えるようになってきた。反対派への効果的な対応の変化が、リバースメンターをはじめて以来起こった、人への対応と意見主張の方法の最大の変化だったように思う。
[5]今後目指したいこと
提言会が終わった今、これまで構想段階だったことをいくつか実行に移そうと考え始めている。例えば、
(i)古墳の現状を伝えるブログを執筆すること。
提言会後、一部の新聞などで私の発表が取り上げられるなどしたが、まだまだそれでは「文化財問題」の知名度はあまり上がらないと思う。「文化財整備政策」への理解をいただくためにも、現状をより多くの人に知ってもらうためには私の考えを自分なりに伝えることができるこのツールが効果的だと考えた。
更に、それと並行して
(ii)博物館や教育委員会、文化財愛好家の有志と共同で古墳ツアーや ネット上の古墳”掲示板”(古墳の魅力を書き込む場を考えている。)運営を行いたいと思う。
こうしていくうちに、古墳への社会の関心は高まっていくと予想する。そんなことをして古墳への関心が高まってきたら、次にやるべきは「整備」 である。しかし、現在すべての古墳に適用できる”完璧な”<整備>は存在しない。それぞれの古墳にあった「整備」を低コストでできるのが理想だが、今それを審議している段階である。 今後、それについての意見を募集する意味でも、ネットを多く活用したいと考えているので、皆さんにも自由な意見をいただきたいと思う。最 後まで読んでいただいたことに感謝する。私はリバースメンターの残り 6ヶ月の任期を全うし、文化財を未来に残すべく、全力を尽くす所存である。その間、県民の皆さんの温かい応援と、斬新な意見をいただきたいと思う。
最後に、関係者の方々に深く御礼申し上げるとともに、今後のご協力をお願いして、この場をしめたいと思います。ご協力、誠にありがとうござ いました、そして今後ともよろしくお願い致します。
5.【勇気を持って発信した自分の思いを受け止めてもらえた!】庭山藍沙さん:前橋女子高校1年
私は「将来群馬で働きたい!という高校生を増やし、群馬県からの若者の流出を防止したい」というテーマで提言しました。 群馬には、『進学・就職のタイミングの若者の転出』が多く、『高校卒業後に県外に進学した人のうち7割が就職時に群馬県に戻ってこない』という課題があります。そこで、高校生へのアプローチによって、若者になった時のUターン就職を増加させて、地元、群馬を守りたいと考え、この提言を考えました。
Uターン就職を増やすため、高校生を対象としたいのには理由が2つあります。まず、現在行われているUターンの取り組みは大学生や社会人向けのものがほとんどで、かつ、“群馬”と検索しなければそのような情報にはたどり着きにくい、ということがあります。これでは、もともと群馬へのUターンを考えている人にしかアプローチできない可能性があります。県内にいる高校生に群馬で働くことに興味を持ってもらうことで、県外に進学したとしても、群馬に戻ってくることが選択肢に入るのではないかと思います。2つ目は、「将来も住みたいのに、群馬にどんな仕事があるのかわからないし、群馬で働く未来が想像できない」という思いを私自身が持っているからです。私が行ったアンケートでも、高校生の県内での仕事への認知はほとんどありませんでした。一方で、群馬に住み続けたいという人は半数を超えています。しかし、県内の仕事が知られていない現状では、群馬に住みたいと希望しながらも県内での就職につながらず、さらに若者の転出が進む恐れがあります。そこで、この提言によって高校生が地元の企業や仕事と触れる機会を増やしたいと考えました。
私が提言したのは、高校生に県内の企業や仕事の魅力を知ってもらう取り組み、4つです。
・高校生を対象としたインターンシップの拡大
・高校生に地元の仕事を紹介する冊子の作成
・民間企業による専門分野の授業の実施
・高校生を企業の交流をふやす仕組みづくり
これらの取り組みによって高校生と企業の交流を増やし、高校生の県内の仕事への関心を高めていきたいです。
どのように活動に取り組んできたのかは、私の場合、委嘱式~提言会の間のワークショップを中心に、フォロワーさんと相談したり、専門家の方や県の担当課の方お話をさせてもらったりしながら、提言の準備を進めました。ワークショップでは、zoomで毎回さまざまなアドバイザーの方に、提言テーマやなぜ解決したいのか、今考えている解決方法などを話し、アドバイスをもらって提言を深めていきました。たとえば、私が考えた案について、現在なぜその取り組みが行われていないのか、誰がやるべきなのかなど、考えるべきことを教えてもらったり、データや先行事例を集めるといいなどのアドバイスをいただいたりしました。提言会が近づいてきてからは、提言シートや発表用スライドの作成、発表の仕方についてもサポートしてもらいました。約2か月で1つのテーマについて掘り下げ、提言をまとめ、短い制限時間の中で発表するというこの活動は初めてでとても難しく、悩んだり苦戦したりすることも多かったです。そのため、ワークショップで、たくさんの知識をもって様々な視点から的確なアドバイスをくれるアドバイザーの方々と提言を練ることができたことがとてもよかったです。フォロワーさんは一番身近で、悩みの相談に乗ってもらい、いつも一緒に考えたり、提言を考えるのに役立ちそうな記事を紹介したりしてくださいました。専門家の方には先行事例や専門家としての考えを伺いました。県の方には現在県で行っている取り組みや、私の提言に対する意見をお聞きしました。たくさんの人に協力してもらったからこそ、この提言を終えることができたと思っています。
提言会ではとても緊張していて、終えたときにはとてもほっとしました。発表では知事とコミュニケーションが取れて楽しむことができたのでよかったです。発表の後、知事からいただいた感想の中で、女性の流出が特に問題だという点に共感していただき、これは県の方へのヒアリングの中で伺って提言のなかに盛り込んだ部分だったのでしっかり準備をしておいてよかったなと思いました。時間の問題で省略するか迷った、高校生にアプローチする理由についても知事に理解してもらえ「大学生対象のものはあるけど高校生対象のものはないからどきっとした」と言っていただき、私が感じていた問題点を共有できてうれしかったです。
私はリバースメンターのような課外活動に参加するのは今回が初めてでした。今までは受動的に、やらないといけないことをやっていただけの私にとって、自分でテーマを考え、思いを文章にして応募することだけでもハードルが高かったのですが、あの時勇気を出して応募してよかったと思っています。リバースメンターの活動は学校の宿題のようにこなせばいいというものではなく、能動的に情報収集を行い、考えを深め、アイデアを出して、提言を作っていく必要があります。そのため、自分から行動することの大切さと楽しさを知ることができました。また、私はメールを打ったことも、Wordで資料を作ったことも、プレゼン資料を準備したこともなかったので初めはとても大変でしたが、様々なスキルが身についたと思います。
今後は提言の事業化を目指して活動していきたいです。今までもたくさん考えてこの提言をしましたが、県の担当課の方とお話したのは1度きりで、私の提言についていろいろなお考えがあると思うので、今後も意見交換をしていい方向に進めていければと思っています。知事から県庁で高校生向けの仕事のイベントをしましょうという言葉もあったので、そのイベントの企画にも携わりたいと考えています。
6.【他者と意見を交わす楽しさ、意義に気付いた!】齋藤深咲さん:高崎商科大学附属高校2年
私は「高校生が外国人対象ボランティアへ参加可能な体制を整える」というテーマで提言しました。私が小学生の頃、外国人転校生の友人が小学校卒業間近で前橋市から太田市へ引っ越してしまいました。後にその引越しの原因が、彼の弟が通う幼稚園で、彼らの母国であるブラジルの文化への理解がなかったことだったと知り、真の多文化共生を群馬県から発展させていく為には、高校生など若い時期から外国人や外国の文化に触れる事が重要だと考え、今回の提言に至りました。具体的には高校生への外国人対象ボランティア広報強化と題して、学校と連携し電子リーフ レットを県内の小中学校・高等学校に配布する事と、県が高校生へ向けて高校生のボランティア活動先として最適なNPO法人を推奨できる、学生ボランティア推奨認定という新しいNPO法人認定方法を提言しました。
委嘱式から提言会まで幾度となくワークショップを重ね、専門家の方から専門的な知識、基本的な情報収集の仕方からプレゼン資料の効果的な示し方まで、高校生の私達に対して子供扱い・特別扱いをすることなく、本気で丁寧なご指導をいただきました。ただ単に自分で活動していくだけでは絶対に得ることのできない貴重なアドバイスやご意見をいただき、自分の意見を客観的に見る機会を作る事ができました。また、その他にも「ABC Japan 群馬支部」様、「ともくら」様といった実際にNPO法人として現場で外国にルーツのある人を対象にボランティアに従事してい らっしゃる団体の代表者様から貴重でリアルなお話をお聞きしました。実際の現場での経験や活動の中で感じたこと、今NPO法人が必要としていることについての話など、様々なお話を伺いました。特にこのヒアリングは、NPO法人の方々の素直な感想を聞くことができ、提言を作り上げていく中で私の提言の裏付けになるような意見を多く頂けたので、とても意義のあるものになったと感じていま す。
しかし、もちろん全てが順調に上手くいったというわけではありません。県の担当課の方のお話を伺ってみて、実際に群馬県で多文化共生に向けてどんな活動があるのか、高校生がそこへどのように介入することができるのか、初めて知ったことも沢山ありました。また、そこから提言会直前で各市町村の国際交流協会にメールでコンタクトを取り、各協会の活動や、高校生の参加状況についてヒアリングを行い、スライドを大急ぎで仕上げるなど、予想外のドタバタがありました。 ヒアリングができても、高校生と外国人という一見全く関係のない2つのトピックを上手く1つにするために、双方の分野の情報を得る必要があった事が今回提言する上で最も苦労した点であると言えるでしょう。しかしそのような難しいコラボレーションでしたが、様々な方にお話を伺っていく過程で私の考える、より良い多文化共生の方向性は間違っていないのだと実感でき、ナーバスになりやすい提言会直前でも楽しく活動する事ができました。
提言会本番、もちろん私は知事の前でも、沢山のメディアの前でも話をしたのは初めてだったので、心臓の音が知事にも聞こえてしまいそうなほど緊張しました。間違えずに、詰まらずに自分の気持ちを伝える事ができるのか不安だったのです。しかし、そんな私の不安を受け入れてくれるかのように、知事はうんうんと深く頷いて私の提言を聞いてくださって、いつの間にか私も話すのが楽しくなってしまうような温かい雰囲気でした。当日、リバースメンターのメンバー全員が会場に揃うことは叶わなかったものの、会場にいたメンバー、そして会場にいなかったメンバーまでもが1つになって互いのプレゼンテーションの様子を応援し合い、互いの提言に新しい発見を見出せるような提言会で、大成功だったのではないかと思います。
委嘱式から沢山のワークショップ、ヒアリングを通して今回の提言会に至るまで、私の中で、1つのことに注力するというよりも様々な知識・力を蓄えた上で自分の提言を完成させていった感覚があり、なんだか人間としても成長できたのではないかと感じています。例えば、今までの私なら物事を裏付ける為の下調べなんてつまらないし、嫌いだと思っていたし、自分の考えだけで満足して人から新しい情報を得ようなんてことは思いつかなかったと思います。しかし、今となっては下調べなしでテキトーなことを口走ることはしなくなったし、分からない事や迷った事以外であっても、誰かと意見交換をして新しい視点からの意見を知る事が楽しくなっています。勢いと情熱が取り柄だった私が、成人を前に少し大人になれたきっかけなのではないかと感じています。
提言会が無事終了したからといって、リバースメンターとしての活動が終わるわけではありません。まずは私が先駆けとなって群馬県内の様々な高校生が参加可能なイベントに参加し活動を広げること、各市町村の国際交流協会の日本語教室への参加を考えています。群馬県が日本の多文化共生社会の中心となる未来を目指して、日々精進して参ります。
7.【リバースメンターを通して唯一無二の経験ができた!】茂木愛莉さん:市立太田高校2年
私は「よりよい教育現場を作るために」というテーマで活動してきました。 学校生活を送る中で「忙しそう」という理由で先生に話しかけることをためらってしまった経験や友達に「教員を目指している」と伝えたときにマイナスな一言で片付けられてしまった経験から教員の魅力を多くの子どもたちに伝えたい・教員の多忙化を改善したいと強く思いました。そこで私は、群馬県に高校生教員体験プログラムの実施・教員の魅力を発信するポスターの作成・群馬県の教職魅力発信動画を広めること・高校生視点で教員に1日密着した動画Teachube(Teach×YouTube)の撮影・学校の補助をするスクール・サポート・スタッフの増員の5つを提言しました。
提言会終了後は緊張していたこともあり、無事終えることができてとてもほっとしました。過去に緊張して頭が真っ白になってしまった経験もあり、提言会での原稿を暗記しての発表に不安を感じていましたが、自分の納得のいく発表をすることができたので本当によかったです。
しかし、提言会までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。私は学校の授業でも高校1年生のときから教育現場の課題について探究していたため、リバースメンタースタート時点での提言したいことというのは他のメンバーよりも具体的に考えられている状態だったのではないかと思います。自分の中ではしたいことも明確に決まっていました。しかし、専門家の方とのメンタリングを行っていく中で自分では気づくことのできない提言を実現するための課題が明確になっていき、多くの改良を重ねました。提言会までの期間、「私が本当にやりたいことは何だろう」「私が提言する必要があるのか」と悩んでしまうことも多くありました。そんな中でも笑下村塾の方は、私が考える理想の社会を実現するためにサポートし続けてくださいました。
提言会までの期間というのは楽しかったこと、大変だったこと、成長できたことなどさまざまなことを感じることができるものだったと思います。大変だったことを考えると数え切れないほどありますが、特に大変だったことは専門家の方や笑下村塾の方がくださるアドバイスを、自分の理想の発表になるよう入れ込むことです。たくさんの人にアドバイスをいただきましたが、それぞれのアドバイスが違うこともありました。アドバイスはすべて私の提言がよくなるよう考え、してくださっているためすべて入れ込みたいという強い思いがありましたが、すべてを入れ込もうとすると矛盾してくる部分が出てきてしまうため、選ばざるを得ませんでした。私は今まで周りの人の意見をすべて受け入れてしまうことが多かったのですが、自分の気持ちを最優先に考え、アドバイスを参考にするのか自分の気持ちを尊重するのかを選択することが重要だと学ぶことができました。学ぶことができた・成長することができたのはこれだけではありません。私は1つのことを長く続けるということが苦手でした。リバースメンターとして活動していなかったら教育現場に問題意識があっても「社会を変える」というところまで活動を続けると言うことは難しかったと思います。そのため、自分でも1つのことに集中して長い時間を費やすことができるのだと自信をつけることができました。
『高校生リバースメンター』というのは私に唯一無二の貴重な体験をさせてくれたのではないかと思います。高校生リバースメンターの提言会を通して私はいろんな面で成長することができました。私が高校生リバースメンターとして活動することができているのは、多くの人の支えがあってこそだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。リバースメンターの活動もまだまだこれからです。私は「教員=ブラック」というイメージを持つ人がいなくなる社会を目指しています。そして教員にとっても、子どもにとっても、生活しやすい教育現場にしていきたいと思います。理想とする社会の実現に向けて私ができることを精一杯頑張り、同年代の子たちに「私たちでも社会を変えることができる」というメッセージを伝えることができる活動をしていきたいと思います。 素晴らしい取り組みである『高校生リバースメンター』を多くの人に知ってもらい、これからの社会を支える子どもたちが「自分たちでも社会を変えることができる」と感じることができる環境を作ることでよりよい社会を築くことができるのではないかと考えます。そして、このような活動が群馬県だけでなく、より多くの都道府県で行われることを願っています。
8.【いち高校生の思いがきちんと届けられたことに感動!】贄田朔誌さん:県立中央中等教育学校2年
「共生社会を“今”群馬から ~障がいを持つ人を分離しない社会~ 」
私は、このようなテーマで提言作成を行ってきました。提言会に参加するまでの過程や、その後の変化などを書かせていただきます。
はじめに私の行った提言について記述します。私は、障がいを持つ人を分離している社会に疑問をもち、提言を行いました。今、日本は 世界から見ても、障がいを持つ人を社会から隔絶してしまっています。とくに、知的障害や、 病弱、虚弱な体質を持つ方は、社会生活に参加することが難しく、特定の場所に縛り付けられてしまっているような状況です。これらの指摘は、国連が日本に対して行った勧告にも含まれています。障がいが理由で、生活が制限されてしまっている人がいる現状を変えるため、提言を行いました。群馬県では、すでに障がいに対して多くの取り組みを行っていました。生活保障や、雇用機会の増加など、前向きな取り組みが多くあります。しかし、どれも障がいを持つ人が社会に溶け込めるような現状になっていないと私は思いました。障がいを持つ人への取り組みは、もちろん大切です。しかしながら、障がいを持たない人々が認識を変えない限り、分離は続いてしまうのが事実です。障がいを持つ人と常に関わりがあれば、その認識を変えられるのではないでしょうか。この考えのもと、私は群馬県に対して、障がいを持つ人との関わりを増やすことを提言し ました。イベントや学校生活を通じて、インクルーシブ教育と県民の障がい者理解の進む取り組みを提言しました。
提言の前後の変化について記述します。私は以前から、障がいという言葉に惹きつけられることと同時に、強い嫌悪感をその言葉に対して抱いていました。「障がい」という言葉で、人を分離している気がしていたからです。 障がいの度合いは人それぞれで、決まりはあっても、障がいの有無を決めることは難しい。 それなのに、個人の尺度で障がいがある人を追いやっているような感覚になってしまうからです。「障がいは個性と呼ぶのは絶対に適切ではない」「それでも、障がいを1つの特徴として関わりたい」というのが私の考えです。補助や助けが必要な人は多くいます。ですが、どんな人でも、助けが必要な瞬間があります。どんな人でも、不自由な瞬間はあるのです。私は、その不自由を助け合える社会が理想であると考えています。
そんな私の勝手な考えが元になり、この提言を行いました。リバースメンターに応募した際、私の考えなんかが通るわけないと思っていました。しかし、無事選考を通過し、知事に提言するという機会をいただけました。1人の高校生、社会を知らないといわれる歳の私の考えが、県の皆さんによって真剣に話し合われることになり、いまだに実感が持てないほど驚いています。「高校生でも、社会は変えられる」という笑下村塾の皆さんの言葉が実現し、感謝、達成感、不安などたくさんの感情があふれてきました。
提言作成にあたり、多くの方にご協力いただきました。群馬県立聾学校の皆さんや、群馬県聴覚障害者連盟の皆様、アンケートに答えていただいた、高校生。そして、笑下村塾の方々のご協力で、国の中枢や海外で働く方、提言テーマの専門家の方など多くの皆さんにご協力いただきました。私の勝手な考えで始まった提言作成が、多くの方の経験や、考え、知識によって、深みのあるものにすることができました。 今後、私はリバースメンターで提言した取り組みを実行していくつもりです。障害の有無に関わらず同じ空間で生活できる社会を夢に、活動していこうと思っています。
9.【自分の思いがより深く強くなった!】奥田羊歩さん:高崎女子高校2年
私は「児童虐待を防ぐために子ども食堂を活用する」というテーマで活動しています。子どもの心身を傷つけ、精神疾患の要因にもなりうる児童虐待。その原因は様々ですが、私は特に、親が過重な育児負担を抱えてしまっている場合があることと、核家族化が進んで社会的な繋がりを作りづらくなっていることを問題視しています。虐待は各家庭内での問題と捉えられがちですが、過重な育児負担や社会的孤立を解消するには社会全体での協力が不可欠だからです。また子どもの成長にも、安心して過ごせる居場所や、家と学校以外でも繋がりを作れる環境が必要です。異年齢間の交流が子どもの自己肯定感を高めることもわかっています。そこで、親と子がそれぞれ地域間の交流を持てる場として「子ども食堂」を活用したいと考えています。
山本知事には、学校での子ども食堂の開催や児童虐待についてのワークショップの開催などを提言しました。提言会当日までは「群馬県で児童虐待の相談件数が増加傾向にある」という課題への解決策や、それをどう伝えれば事業化への協力を得やすくなるかを考えました。若者の居場所を作るため活動する方や子どもに関する課題を取材するジャーナリストの方、子ども食堂を運営するNPO法人の方など、いろいろな方にヒアリングをしたうえで提言内容を決めました。特に実現したかったのは学校での子ども食堂と、移動式の「キッチンカー子ども食堂」です。ヒアリングの中で、自分の実体験を大切にすべきだという意見を複数の方からいただきました。私は家の空気が悪いときに学校でも嫌なことがあったという経験があります。そのときはモヤモヤした気持ちを話せる人が周りにおらず、安心して過ごせる場所も無かったのが辛かったです。高校生になってから、子ども食堂というものに初めて足を運びました。食堂のスタッフと子どもたちが仲良く話す様子を見て、私もこういった場に早くから出会えていたらと思いました。子ども食堂のような誰もが行ける居場所は、家の近くにはありませんでした。また県へのヒアリングにて、子ども食堂などの子どもの居場所が、子どもが歩いて気軽に行ける距離ににないどころか、市町村に1つもないケースもあることを伺いました。そこで、学校で子ども食堂を開催できれば、距離の問題で利用できないといった人の助けになると考えました。また群馬県の我妻エリアには子ども食堂がありません。過疎と呼ばれる地域では、人々が集まれる場所を1か所作ったとしても来られる人が限られてしまいます。その問題に対しては、地域の人の集まる場を複数作り、それらをキッチンカーで回って食べ物を届けることが解決策になると考えました。
提言会では、知事にこの「移動式子ども食堂」をぜひ実現したいと言っていただけました。どこに住む人でも家と学校以外の居場所を作れるような社会を、ここから作っていきたいです。学校で子ども食堂を開くことと組み合わせることもできると思いました。
リバースメンターの活動に参加してここまで取り組んできた中で、多くの気づきを得ました。その一つが、居場所には様々な形があるということ。取材させていただいた専門家の方には、夜間だけ若者が集まって話したり食事したりできる場を運営する方や、辛いことから逃げ出すための解決策をずらりと表示したサイトを設立した方がいました。多様な形の居場所とそこに込められた思いを知ったことは、私が本当に実現したいものは何かを考え直すきっかけになりました。私はやはり、地域の人が年齢関係なく一緒に食事できる子ども食堂を広めたいです。そういった居場所を誰もが利用しやすい社会を実現させ、親子がより暮らしやすい社会にしたいです。
生き生きとした高校生たちの感想、いかがでしたでしょうか?
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