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執筆者の写真笑下村塾

好きなことをして生きていくには? ヒロシさん×たかまつなな対談【vol.1】

好きなことだけして生きていけたら、どんなにいいだろう…。でも会社を辞めて、好きなことをする勇気なんてないしな…」そう思い、今の生活を続けているという人は多いのではないでしょうか。


 ヒロシさんと言えば、「ヒロシです」というネタで大ブレイク。そのイメージが強い方も多いかもしれませんが、ヒロシさんは今「キャンプ You Tuber」として大きな注目を浴びています。チャンネル登録者数はなんと55万人を超え、とどまる所を知りません。驚くことに、ヒロシさんは、 You Tubeを仕事として捉えておらず、あくまで趣味の延長戦上だと話します。


 一発屋でブレイクしたときの方が収入は多かったにも関わらず、今の方が幸せとヒロシさんは言います。会社員時代、売れない芸人時代、もてはやされ続けた人気絶頂時代、それが重荷になって仕事が減った時代ー。いろんなことを経験したヒロシさんが辿りついた生き方とは。


 そこには、私たちの人生設計、仕事との向き合い方などたくさんのヒントが詰まっていました。vol.1では、ヒロシさんの人生から「好きなことで生きていくため」の方法を紐解きます。


ヒロシさん×たかまつななYouTube対談vol.1の動画はこちら

■キャンプ愛を体現!「ヒロシちゃんねる」



―本日は豪華なゲストに来ていただいております。ヒロシさんです。


どうも、ヒロシです。よろしくお願いします。ヒロシで豪華って本当に思ってるのかい? これまですごい人たちが出てるのに、ここに来てヒロシとか大丈夫かいな。


―めちゃくちゃトップYouTuberじゃないですか。


もっと上がいっぱいいるじゃないですか。僕は今、登録者数が48万人(インタビュー時)くらい。自分ではすごいと思っているけど、YouTuberピラミッドの中で言ったら下の方でしょ。


―いやいや。上の方ですよ。


いやいやいやいや!カジサックさんは100万人ですよ、それも去年くらいに始めてでしょ。俺は5年ですから。

知らない人のために言っておくと、僕のチャンネルは「ヒロシちゃんねる」といいます。僕、キャンプが好きなんですよ。その時の様子を動画に撮って、自分で編集してアップしてます。コアな動画ではありますね。

―しかもヒロシさんは撮る側だから、あまり画面に出てこない。

例えば僕がたき火で調理しているところを、横に設置したカメラで撮ってるだけ。

―私は登山がすごく好きなので、見入っちゃいます。キャンプも年1回くらいですけど、行っていました。

テントで寝たことある?

―あります。

テントってどういうのか分かってる?

―分かってますよ!(笑)

僕はそういうことをするチャンネルをやっています。

―ヒロシさんは同じ事務所だったのですごくお世話になりました。事務所に入ってから辞めるまで、ちょうど2年半くらいです。

落ち目でブツブツ愚痴を言っている時に、たかまつさんと知り合ったんだよね。

―サンドウィッチマンさんやU字工事さんたちと営業に行った時に、2人でずっと話しましたね。

「なんでこうなんだ」「どうにかならんもんか」って世の中に対する不平不満を言っていたよね。懐かしいよね。

―その時にアドバイスいただいて、すごくうれしかったです。「新しいことをやろうと思ってる」という話をしたら、ヒロシさんが後押ししてくれました。6年くらい前ですね。

あの頃って、芸能人が自分で何かやろうとすることを良しとしない時代だったんですよ。芸能事務所が作る形が決まっていたんだよね。そこに疑問を持った2人が話していたから、周りに「なんだお前、生意気だな」とか言われていたと思うよ。

―言われてました。

俺は「すごくおもしろそうだし、いいんじゃない」と思っていたけど、それを許さない風潮はあった。俺もたかまつさんと同じ頃に同じようなことで悩んで、俺自身どうしていいか分からなかった。だから、思いっきりくすぶってた(笑)

■「君も好きなことだけして生きていける」by 働き方1.9



―ではまず「好きなことをして生きていくには」ということをお伺いしたいと思います。ヒロシさんの著書、「働き方1.9」を読ませていただいて、すごく感銘を受けました。


本当かよ(笑)俺がこの本で言いたかったのは、嫌なことばかりしてたら仕事って全然楽しくないけど、その中でちょっとでも自分が好きなことができる場所や時間があるだけで、生活に潤いが出る。精神的にも経済的にも。そういうのを言いたかったんだよね。

■毎日テレビに出ていた頃より、今の方が断然楽しい!



―明日からでもできそうだな、と思えることがいっぱい書かれています。

色んなことをやった中で、成果が出たのがYouTubeだったんです。ほとんどは、そこで体感したことを元に書いているんだよね。

―「毎日テレビに出ている時と今を比べたら、今の方が断然楽しい」というのに驚きました。それはどうしてですか?

25、6年前に芸人を始めた当時は、テレビに出て冠番組を持つというのが目標、という1つの大きな流れがあったじゃないですか。でも実際にやってみたら、番組によっては構成作家が考えたつまらないネタをやらされることもあった。

―確かに。自分で考えた方が絶対にいいですよ。

最初の頃は言うことを聞いていたけど。やっぱりスベるのよ。

―腹立ちますよね。「私が考えたんじゃありません」って知らん顔してますもんね。

後で「すみません。ちょっとスベりましたね」くらいあるならまだしも、何もない。テレビを見ている人には、俺が考えたネタと思われてしまう。

俺は「ヒロシです」くらいしか武器がなくて、ひな壇とかでやる普通のおしゃべりがちょっと苦手だったから、そこは守りたかったの。でもそうすると、製作の人たちに「調子に乗ってるのか」みたいに思われて摩擦が起きてしまう。そのほかにも色々あって「このままテレビに出続けて幸せなのか? 楽しいのか?」という疑問が出てきた。

―楽しくなかったんですか?

もちろん楽しい時もあるから、今もいい番組だと思ったら出るし、そうでなければ極力出たくない、というのは正直あるよ。

―なぜ今の方が楽しいんですか?

本のタイトルにもあるように、好きなことをやる時間が増えたから。

YouTubeがヒットする前は「ヒロシです」が主に求められる仕事だったんだけど、今なら、例えば地方の営業でお客さんを集めるときにも「キャンプの話をしてくれ」って言われるようになったんだよ。好きなことだから楽しいのよ。

テレビで「『ヒロシです』は飽きた」とか言われてた時期があったけど、誰よりも飽きてるのは俺だからね。「ヒロシです」も好きだけど、別のことでも発信できるという気持ち良さは、YouTubeによって得られたよ。

■いきなりではなく、少しずつ範囲を広げていく



―収入面で不安はないですか?

ないね。YouTubeだけ、キャンプだけ、で食ってるわけじゃなくて、テレビやラジオ、雑誌にも出てるから。でも「ヒロシです」を辞めたらちょっと不安よ。

10年前にすごく売れたけど、2年ほどで嫌になった。その時に休みたくて「もうテレビ出ない」とマネージャーに言ったときは正直、不安だった。それでも辞めたいという衝動の方がでかかった。

だから本で書いたのは、いきなりじゃなくて、ちょっとずつでも好きなことを発信しはじめてほしいということです。

―会社を辞めるのではなくて。

俺は独身だからいいけど「職場でいじめられて仕事もやりがいない。給料も少ない」っていっても、子ども2人いる人がいきなり辞めるなんて無理じゃん。

そういう状態でも、仕事の合間に何かしら自分の好きなことを考えて、最初は小規模でもいいから発信する。今ならネットが充実してるから、YouTubeとかTikTokとかインスタとか色々あるでしょ。

―noteとかね。

そういうので発信して、当たれば儲けもん。それで食えるようになったら嫌な仕事を辞めて、好きなことで生きていけばいい。辞められないとしても、ちょっとした小遣いになるじゃん。俺が書いた本は、大成功するという前提じゃない。

例えばサラリーマンで月の手取り20万円弱の人がいたら、給料1万円上がるのに何年かかる? でもYouTubeだったら1万円なんてちょっとやれば稼げる。5千円でも収入があったらどうよ? と。

―好きなことだったら楽しいですよね。

「好きなことの範囲を広げていったらどう?」っていう本なのよ。

―「得意なことでもダメで、お金のためでもダメ。好きなことじゃないと続かない」というのが響きました。

俺は「ヒロシです」のネタを作るのは得意なのよ。でも正直、苦痛を伴うし時間もかかる。ネタ作りはあくまで仕事。だから「YouTubeで毎日、新ネタを5本上げます」とか宣言してやっちゃうと、自分で自分の首を絞めてしまう。

でも俺はキャンプが好き。でも知らないことだらけ。その様子を上げていくと「この人、本当にキャンプが好きなんだな」って思われる。例えば、キャンプに詳しい人がコメントで「こうした方がいいよ」とアドバイスをくれる。ゲーム配信だって、うまい人だけが配信するわけじゃない。ヘタクソな人のを見て楽しむというのもあるでしょ。


■今の時代は1人が最強!



―この本で印象に残っているのが「1人こそ最強」でした。

そうだよ。それはたかまつさんも実践してる。

でかい組織から抜けて、自分で「こうしたい」「こういうチャンネルをやりたい、サロンをやりたい」って行動してるじゃないですか。それを大きな組織でやろうとしたら、お伺いを立てないといけない。そのために、まずマネージャーに言って理解してもらわないといけない。

―現場マネージャーに理解させたら、チーフ―マネージャー、次は部長――。「部長も分からないから社長まで持って行く? いや、会議にかけようか」みたいな感じでしょうね。

たかまつさんがやりたいことなんて、みんな分からないんだから。

俺なんて、数年前まで大きな事務所にいた頃に「ブログやりたいんです」って言ってから始めたの3年後だよ。今だったらブログの認知度も高いから多少マシかもしれないけど、組織に所属していたらやっぱり今でも時間はかかると思うよ。どこの媒体でやるか、とか会社の都合もあるからね。

これがどこの組織にも属さない個人だったら、今すぐ始められる。俺はYouTubeで5、6年やってるけど、組織に属していたら今頃やっとスタートしてる頃だと思う。この5年で登録者数48万人稼いだのを、今、ゼロから始めるということ。この時点で始めてる人たちがいっぱいいるんだから、もう遅いのよ。

どんどん新しいのが出てくるじゃん。だからやっぱり俺は1人の方が動きやすい。

―著書には、今の私がやっていることを後押ししてくれる言葉がたくさんあります。

例えば「飲み会は行かなくてもいい」とか。私は人見知りなので、飲み会とかすごく苦手なんですが、「芸人の世界は人づきあいをちゃんとしなきゃいけない」「社長と飲みに行ってこそ芸人」みたいな風潮がありますよね。

それは昭和の考え方なんだよね。それができる人もいるけど、少なくとも俺やたかまつさんはそういう性格じゃない。無理やり行ってもプラスにならないよね。

―苦手だから逆に評判が悪くなる。「あいつ、ムスっとしてた」とか言われて。

たかまつさんの時代でそれでしょ? 俺が始めた頃はもっとキツかった。その上、この性格だもん、無理に決まってる。昔はそういうのが王道だったけど、今はそうじゃなくてもよくなってる。だから、俺は行きたい人だけが行けばいいと思う。


■圧倒的な結果を出しているヒロシさんが尊敬するのは



―1人でやるのは心配だと思いますが、圧倒的な結果を出すにはどうすればいいんですか?

別に圧倒的な結果に達してないからね(笑)

たかまつさんは芸歴1年で賞を取ったりしてたけど、俺の1年目は全然ダメだったよ。俺からすれば、たかまつさんの方がすげーな、って思う。

芸歴は何年?

―6年です。

俺の時代に、その芸歴で20年以上の人にオファーかけるなんて考えられなかった。

―それは私が失礼なだけです(笑)

昔だったらね。でも今は違う。茂木さんとかウーマン村本さんとか、オリラジ中田さんとか自分でオファーしてるのを見てると、芸歴とか年齢とか関係ないんだなと思う。今、俺が尊敬しているのはたかまつさんですよ。

―めちゃくちゃうれしい!

今言ったような人たちなんて、芸歴で言ったら俺よりも後輩だよ。でもネットとかテレビで人と違う活動で活躍して、かっこいいなと思う。俺は皆さんの劣化版。皆さんに追いつきたいの。

―そいういうのをダサいと思っている人もいます。

自分ができないことを拒否とか排除する感じね。

―中田さんも「アドバイスを求められたらするけど、実行した人は1人もいない」と言っていました。

俺も聞かれるのよ。だから細かく教えるけど、みんなやらないね。

―Vol.2ではYouTubeのコツについて伺います。

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