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  • 執筆者の写真笑下村塾

【前編】高校生をエンパワーメント!特別ゲストを招いたオンラインワークショップを開催しました。

 こんにちは、スタッフのとがです。群馬県高校生リバースメンターオンラインプログラムにて、高校生が自ら社会を変える力を身につけるため、特別ゲストを招いてエンパワーメントをテーマにしたワークショップが開催されました。一人目のゲスト、遠藤まめたさんは「Change.org」のキャンペーンサポーターとして、オンライン署名の力を使って社会を変える方法を紹介。続いて、二人目の石原花梨さんが「中高生食堂」を通じて、孤食問題に取り組んできた経験を共有しました。最後に、金澤伶さんが学費値上げ反対緊急アクションについて語り、それぞれの視点から高校生たちをエンパワーしました。


~一人目のゲスト:遠藤まめたさん~


 一人目のゲストは遠藤まめたさん。オンライン署名サイト「Change.org」のキャンペーンサポーターして署名での社会の変え方をお話して頂きました。




■小学生も使う「オンライン署名」とは?

「最近は、ネット署名を使って発信する高校生や小学生なども増えてきています。ネット署名は、誰でも気軽に使えるツールななってきています」と、遠藤さんは冒頭で語り、現在の若い世代がインターネットを活用して社会問題に声を上げる姿を紹介しました。

「高校生が署名活動をした例をいくつか紹介します。まず一つ目は、江戸川区の中学校に通っていた生徒の話です。この生徒は、中学時代に制服が性別で分かれていることがすごく嫌だったんですね。その経験を踏まえて、後輩たちが同じ悩みを抱えないようにと、性別関係なく制服を選べるようにしてほしいという署名活動を始めました。結果的に1万人以上の署名が集まり、江戸川区長に提出されました。区長はこの要望に真剣に耳を傾け、制服の選択を自由にすることになったんです」

「もう一つの例は、神奈川県の公立高校に通っていた高校生の話です。この生徒は小学生の頃から気候変動に関心があり、自分の家の電力を再生可能エネルギーに変えてもらったりしていたそうです。そして高校の電力も再生可能エネルギーに変えてほしいと思い、署名活動を始めました。署名を集めた後、教育委員会に連絡し、最終的に県知事とも面会して、再生可能エネルギーの導入が進みました。こういった例が増えてきているんです。」

 身近な高校生が実際に社会を変えた実例で高校生たちをエンパワーして下さいました!そして、インターネット署名の利点を伝えて下さいました。

■なかなか会えない仲間と繋がれるメリット

「ネット署名の良いところは、家からでも簡単に始められる点や、お金がかからない点です。それだけではなく、困っている人同士がつながりやすいという特徴もあります。署名にコメントを集めることで、同じ悩みを抱えている人たちの声が集まり、具体的な経験を知ることができるんです。」

「例えば、起立性調整障害で困っている人たちの声を集めたり、LGBTの人たちの体験を共有すしたり、街頭では見つかりにくい人にも繋がれます。署名を通じて、当事者同士が集まりやすくなるんですね。だから署名活動は、数を集めるだけでなく、共感や経験を共有する場にもなっています」

 始めやすさはもちろんのこと”繋がることを活かせる”というのがインターネット署名の魅力と伝えて下さいました。

「また、署名を賛同してくれた人たちに対して、進捗やイベントの案内を送ることができるので、紙の署名とは違って継続的に連絡を取れるのも大きなポイントです」

 最後に、「数だけでなく、同じ経験をしている人の声を集めることが非常に重要だと思います。」と声を合わせることの力を話して下さいました。


遠藤まめたさん

一般社団法人にじーず代表。トランスジェンダー当事者としての自らの体験をきっかけにLGBTの子ども・若者支援に関わる。近著に「教師だから知っておきたいLGBT入門」(ほんの森出版)ほか。毎日小学生新聞にコラム連載中。NHK Eテレ「虹クロ」監修。オンライン署名サイト「Change.org」のキャンペーンサポーターを務める。


~二人目のゲスト:石原花梨さん~

二人目のゲストは、石原花梨さん。現在大学2年生で、尼崎市のユースカウンシル事業「Upto You!」に参加したことをきっかけに「孤食」という社会問題に取り組んできました。



■孤食の問題を解決する「中高生食堂」とは?

「私が紹介するのは「中高生食堂」です。これまで中高生と一緒に料理を作って、その場で一緒にご飯を食べる活動をしてきました。この活動の目的は、いわゆる「孤食」を減らすことです」


 石原さんは高校生時代から活動してきた食堂の取り組みを紹介してくれました。

「まず、孤食って何かというと、一人で食事をすることです。孤食がなぜ問題かというと、心の健康に悪影響を与えやすく、最悪の場合、うつ病や自殺を考える人が増えてしまうリスクがあるからです。また、一人で食べたい時に食べたいものを食べると、食事のバランスが偏ったり、家族との会話が減って、社会性や協調性が育ちにくくなるとも言われています」

「この活動を始めたきっかけは、自分自身が孤食を経験していたからです。それと、尼崎市には「ユース交流センター」という中高生や若者が集まる場所があるんですが、そこで食べ物を提供してもご飯を食べない中学生を見て、「何とかしてその子を救いたい」という思いが強くなり、この活動を始めました。今は少しお休みしていますが、これまでに7回ほど活動してきました」

■どうやって仲間を集めたのか

「次に、どうやって仲間を集めたか、そしてこの活動をどう広めたかについてお話しします。まず、仲間集めの方法ですが、地域の人に自分の活動を知ってもらうことが大切でした。地域の人たちに協力してもらわないと活動が広がらないし、同じような活動をやりたいと思っている大人も多いので、そういう大人たちに頼ることも一つの手段だと思います。」


■同じ場所での活動もポイント

「継続的に同じ場所で活動することで、仲間も増えていくと思います。あとは友達にも話してみました。友達に困っていることを相談すると、意外と助けてくれたり、いいアドバイスをくれたりするので、そういう繋がりを大切にしてきました。」

■活動を広めるのに大切な地域との繋がり

「次に、どうやって活動を広めたかですが、私は公式LINEを活用して、参加者と頻繁にコンタクトを取るようにしました。最近どう?とか、何か困ってることある?とか、そうやって繋がりを保つことで、参加者が他の人を誘ってくれたりもします。」

「SNSも重要ですけど、それだけじゃ足りないこともあるので、行政とどう連携するかが大事です。尼崎市では市の施設を無料で使える制度があるので、それを活用しました。市の職員とも協力して活動することで、より継続しやすくなります。また、補助金も活用して、自分たちがやりやすい形で進めています。」

■まず行動することから始めてみる

「最後に、活動を続けるコツですが、とりあえずやってみることが大事だと思います。まず一歩踏み出してみて、次にどんな計画を立てるかを考えればいいんです。もちろん、計画も立てつつ進めることが大事ですが、最初は行動してみることから始めて、やってみてから振り返って改善していけば、続けられると思います。」


石原花梨さん

高校2年生の時、尼崎市のユースカウンシル事業「Upto You!」に参加したことをきっかけに「孤食」という社会問題に気付く。中高生が一緒に食事を作り、食べる場を提供する活動を開始。現在、奇数月に1回、小田南生涯学習プラザで中高生食堂を開催し、参加者が料理を通じて自宅でも楽しい食事の時間を持てるようなサポートを続けている。大学2年生。


~三人目のゲスト:金澤伶さん~

三人目のゲストは、金澤伶さん。学費値上げ反対と難民支援という二つの異なるテーマにどう向き合い、短期間でデモやオンライン署名、国会議員へのアンケートなど多彩なアクションをどう展開してきたのか聞きました。

「私は、難民支援に関する活動をメインに行ってきました。知り合いやメンバーを含む、多様な背景を持つ難民の方々と協力しながら、彼らの意見に基づいて環境を作り、その視点から活動を広げていくということをしてきました。もちろん現在もその活動を続けていますが、今は少し異なるテーマである学費値上げ問題にも軸足を置いています。」



■「学費値上げ反対緊急アクション」とは?

「現在、私は「学費値上げ反対緊急アクション」の理事を務めています。この団体の活動について説明しますと、まず5月15日に設立されました。X(旧Twitter)のフォロワーは立ち上げ当初から急速に増え、2526人ほどになっています。」

「5月16日に「学費値上げの検討を進める」というニュースが新聞で報じられて、5月の19日にもデモをするというこの短期間でここまでやろうと思ったら結構機動力だったりとか俊敏さだったりとか人手ってのは必要なんですけど、さらにそこから急展開で5月24にもうDISCORD立ち上がってですね連日学内外でこういう活動を開始するということになりました。」

 院内集会や、記者会見、国会議員へのアンケート、オンライン署名など次々に金澤さんが打たれた手について伝えて頂きました。



■金澤さんを動かすものは?

「学費値上げに関して、私たち自身も当事者ではあるのですが、直接影響を受けるのは今の高校3年生など、次世代の若者たちです。そのため、最初は「自分たちのために活動しているのかな?」と感じることもありました。でも、実際に影響を受けるのは東大以外の地方の国立大学や、これから未来を担う若者たちです。彼らから「反対活動をしてくれてありがとうございます」と言われると、とても嬉しく、楽しいと感じます。」

 自分のためではなく、次世代のための活動という思いが金澤さんを動かすそうです。

「私たちがずっと呼びかけているのは、「対話をしましょう」ということです。学生たちの声をしっかり聞いてもらうために、一緒に議論の場に立ち、声を届け続けています。」

■共感を得るための仕掛け

 最後に「難民支援の活動と、「学費値上げ反対緊急アクション」両方の活動に共通する共感を得るための仕掛けを話して下さいました。

「難民支援の活動と、「学費値上げ反対緊急アクション」、二つの活動を通して、いかに自分たちの生活や将来に関わる問題として危機感を共有できるかが重要だと気づきました。例えば、難民問題も遠い話のように感じるかもしれませんが、災害や地震で住まいを失うことも一種の「難民」になるわけです。このように話すと、共感が得られることもあります。」


金澤伶さん

「グローバル難民フォーラム」に参加した難民当事者と運営する「EmPATHy」共同代表。難民当事者によるコンサルテーションを実施。ユースなんみんプラットフォームにて、これまでアイデアコンペ、フェス、国際イベント等の主催を通して難民とともに創る日本社会を考える。学費値上げ反対緊急アクション理事。現在、東京大学教養学部国際関係論コース4年。


 みなさんご参加頂きありがとうございました!引き続き高校生と一緒に頑張って参ります。


■笑下村塾は仲間を募集しています

 若者の政治参加を促進するために一緒に働いてくれる仲間を募集しています。リバースメンターのプロジェクトでも仲間を募集しています。私たちの活動に興味があり、社会に良い影響を与えたいと思っている方々のご応募をお待ちしています。




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